歯周病・歯槽膿漏

「歯磨きをした時、血がにじむ」

「歯ぐきが、前より下がっている気がする」

「口がくさいと妻に言われる」

テレビのCMなどでもよく聞く言葉「歯周病」。
歯槽膿漏とも呼ばれます。
そんな歯周病は、基本的には自覚症状がありません。
気づかない間に進行するため「サイレント・ディジーズ」（silent disease：静かな疾患）と呼ばれます。

実は、歯を失う原因の一位は「虫歯」ではなく「歯周病」なのです。
そんな歯周病ですが、日本では成人の８割以上がかかっています。
歯周病は「生活習慣病」として位置づけられています。

歯の喪失の原因

出典：厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」

歯周病の怖いところは、その影響が口の中だけにとどまらないところです。
最近の研究では体全体にいろいろな悪影響を及ぼすことがわかってきました。

全身に深刻な影響を及ぼす「歯周病菌」～

口の中にいる「歯周病菌」は、口の中にとどまっていません。

食物と一緒に消化吸収され、さらには歯ぐきの毛細血管から入り込むと全身に回っていきます。

そのことで下記の病気を悪化させるのです。

糖尿病
嚥下性肺炎
敗血症
心内膜炎
早産
低体重児出産
認知症

歯周病の治療、どのように進めるの？

STEP1 診査・診断（レントゲン撮影）

歯周病は歯肉だけの問題だと思っているかもしれませんが、違います。
歯周病菌は、患部以外の歯槽骨（しそうこつ：歯を支えている骨）も溶かします。
状態を把握するため下記検査を行います。

●レントゲン撮影
→歯槽骨がどの程度失われているか？がわかります
● 「歯周ポケット」測定
→歯と歯茎の間の隙間がどれくらい深いか？がわかります

STEP2 プラークコントロール

「プラーク1mg」中にどれくらいの細菌がいるかご存知ですか？
「約10億の細菌」がいるのです。
プラークコントロールは、こんなことをします。

● 歯垢を専用の薬で染め出し、どこに歯垢がついているのか？を細かくチェック
● 専用の器具を使って取り除きます

STEP3 スケーリング（歯石除去）とルートプレーニング

歯垢が取れ、お口が清潔になると、腫れていた歯ぐきは引き締り、色も健康的なピンク色になります。
この状態で、スケーリング（歯石除去）やルートプレーニング（深いポケット内の歯石を取る）を行います。

※「深い歯周ポケットの治療は痛みを感じることもあるので麻酔をしますが、処置後はほとんど痛みません。

STEP4 メンテナンス

いい状態の歯茎を維持するため、定期的な検診とクリーニングをおすすめします。
毎日のブラッシングで取れる歯の汚れはなんと5割、デンタルフロスを使っても8割までしか取れないと言われています。
日頃のブラッシングで取れない汚れのクリーニングは、国家資格を持つお口のクリーニングのプロ「歯科衛生士」にお任せください！
歯科衛生士が専用器具を使ってPMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning：プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）をします。

おじいちゃん・おばあちゃんになっても、ご飯やお酒が「おいしい！」と思えるようにするために「自分の歯を残すこと」はとても重要です。

入れ歯であっても、ちゃんと噛めれば問題ありません。
クリーニングと同時に、虫歯や歯周病がないか？もチェックすると、早期発見早期治療が出来ます。
定期的なクリーニングが痛い治療をせずに済む一番有効な方法なのです。

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